Winter授業紹介の第一弾はStrategyです。この授業ではポーターの5-Force、付加価値戦略/コスト競争戦略、Value Chain、ゲーム理論等の基礎的Frameworkをケースを通じて学んでいきます。
Frameworkそのものは教科書や本を読めば分かるので、授業は如何に戦略的アプローチが取られたか、何故そのActionを取ったのか、をディスカッションを通じて考えていくことに重点が置かれています。その点では秋学期のAGMと極めて似たスタイルの授業です。教授はベテランのMs. Peteraf。いきなり2回目の授業でクラス全員の名前を覚えてきて(さすがに全員即答とはいかなかったものの)クラス中を驚かせました。授業の流れはスムーズで、(AGMでポイントのずれた発言をすると時折「それは今は関係ない」とバッサリ切られていたのに比べ)各生徒のコメントをうまく拾いながら論点を絞っていきます。スライドもよく練られていて、その日の授業が他の科目とどう関連するか、が「Integration Opportunity」として必ず紹介され、知識を体系化するのに役立つのもこの授業の良いところです。
これまで扱った題材はDucati(バイク)、Dell(コンピューター)、De Beers(ダイヤモンド)。夫々特色のある企業・業界がセレクトされ、ケースを読むだけでも結構面白いです。このあと任天堂/セガのケースも予定されているので、今から楽しみにしてます。(注:セクションによって微妙に授業の進め方は異なります)
まだ序盤ですが、良い戦略はどう立てられるのか、少しずつ感覚が掴めて来た気もしてます。軸/強みを見極めたうえでValueにもコストにも貢献する手を打つ、基本的なマーケットポジションの基盤を強めるといった結構当たり前のことをいかにしっかりやるか、がポイントなような気が今のところはしてきています。このあたりはまた授業が進んだらコメントしたいと思います。
因みに先日、Advanced Strategyという二年生向けの授業のビジターとしてUSSのCEOが来ていました。PWC出身でUSX時代に入社し、USSがスピンアウトされた際にCEOとなりいわゆるTurnaround managementを達成した方です。特に興味深かったのは2点で、1点目はレガシーコスト問題に決着をつけたこと、2点目は「Safety」をモットーとする企業カルチャーを作り、コスト面・品質面での差別化に繋げたことでした。レガシーコスト問題は米国鉄鋼業の国際競争力を低くしていた最大の要因で、鉄鋼労組が強力なアメリカではどの製鉄会社も苦しんでいた問題です。彼は関係の改善からはじめ、真っ向勝負でこの問題を解決したとのこと。このアプローチは以前に書いたPitts SteelのCEOが言っていたことと似ており、問題の根っこを見究めてそれを取り除く、というのはやっぱりTurnaroundの基本なんだと思わされました。2点目は更になるほど、と思わされる内容で、Safetyという誰もがAgreeできることを標語にし、企業カルチャーを変えるモットーとしたことです。これにより予見出来ないコストの削減、品質の安定化を同時に達成するとともに、どんな小さな事故でもCEOにレポートするという体制を作ることで徹底的な実践を行ったそうです。安全に関して彼が「every person doing everything right everyday.Incident happens, but accident does not happen! 」と言っていたのが印象的でした。
次回はGlobal Economics for Managers(GEM)を紹介します。
MS
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