2008年2月14日木曜日

Honda

今日のストラテジーの授業で、Hondaのアメリカ進出と成功がとりあげられた。

ケースは前半と後半の2部に別れていて、前半のみが事前課題として配られていた。前半のケースでは、1950年代にアメリカの二輪車市場に進出し、瞬く間にトップ・シェアに上り詰めたHondaの軌跡が、当時のボストン・コンサルティング・グループによるレポートを引用しながら解説されていく。

クラスの中では、なぜHondaはアメリカ進出に成功したのか、その企業戦略の優位性について議論をした。特に、短期的な利益を度外視してマーケティングに重点投資した点、シェア拡大による長期的な成長を優先した点、シェア拡大の結果として大量生産を早期に実現し規模の経済性により生産コストを軽減した点に焦点が当てられた。

ただ、これはあくまで、コンサルティング会社が事後的にHondaを分析した内容をベースに進められた議論。


クラスで一通りの議論を終えたあと、ケースの後半部分が配られた。10分間を与えられ、一気にケースを読む。

冒頭部分から、あれ?という感じで後半ケースは始まった。戦後まもない中で町工場からHondaを立ち上げた本田宗一郎氏にまつわる人間くさいエピソードがまず描かれる。前半部分で説明されていた洗練された大企業のイメージとはえらい違いだ。日本人の僕があれ?と思うくらいなのだから、クラスメートたちの反応はもう言うまでもない。

ようは、後半のケースには、前半のような外部からの事後的な分析でなく、実際にどのような過程をへてHondaが成功することができたのかが、その創業記や立志伝からの引用を中心にして描写されていた。

戦後間もない中、日本政府による通貨統制により、わずかな資金しかアメリカに持ち込めず貧乏暮らしを余儀なくされたこと。英語もほとんど話せず非常に苦労したこと。物も金も何もない中で採算性など考える余裕もなく、長期的な成功を夢見るしかなかったこと。

同じ企業を描いているとはとても思えないほど、前半と後半では対称的な内容だった。そして前半以上に、後半への議論も盛り上がる。好意的な意見がほとんどだったが、アメリカ人のクラスメートたちの口から、創業期のHondaについて色々とコメントを聞くのは何だかとても面白い。

一時間半が一瞬に思える、とても充実した授業だった。

GK

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